レポートスイート(RSID)とは
Adobe Analyticsの「レポートスイート」は、データを収集し活用するためのデータの「貯蔵庫」のようなものです。一つのアナリティクス契約(アカウント)において複数のレポートスイートを作成して、それぞれ独立した異なるデータを格納することができます。GA4における「プロパティ」、UAにおける「ビュー」に相当します。
レポートスイートの考え方
レポートスイートの構成は設定次第です。例えば、どこまでを「一つのレポートスイート」に含めるかは、実は難しい問題です。 一つのサイトを計測することもあれば、複数のサイトをまとめて計測することもあるので、サイトの単位とは必ずしも一致しません。
Cookieを保持できないなどの理由で訪問(セッション)が分断されるヒットを同一レポートスイートで混在させると、訪問者や訪問回数などの指標が水増しされてしまうので、 ユーザーや訪問の動きを追いたい範囲で、かつ訪問がつながるヒットを含めると良いでしょう。(異なるブラウザ間でも同じ訪問者を識別させる前提であれば、ユーザーIDの指定やクロスドメイントラッキングの実装が必要です)
レポートスイートを分けた方が良いケース
- 管轄部署が異なるサイトが独立していて訪問者の行き来が少ない
- HTMLメールの開封を調べるためのimgタグ計測
- ログイン不要のWebとアプリ(同じスマホ端末であってもCookieが独立しているため)
一つのレポートスイートでまとめた方が良いケース
- サイトの中に異なるドメインが混在していて、クロスドメイン対策をしている
- Webサイトとアプリの両方がログインを前提としていて、そのログインIDが共通の場合
- アプリ内のWebViewでWebページを開く場合に、URLにパラメータを付与している場合
レポートスイートの名付け方
レポートスイートは、レポート画面上に表示される名称と、内部的に使われるIDが異なります。
表示名の付け方
- 長いと画面上で途切れてしまうので短めに
- 本番用とテスト用を分けている場合は、区別できるようにすると良い
テスト用RSのみ最後に半角で(test)を追加するとコンパクトで邪魔にならないのでオススメです。「(開発用)」と全角にすると長くなります。また、(test)が無ければ本番用と分かるので、「(本番)」は省略すると良いでしょう。
RSIDの付け方
- 半角の英数字とハイフン「-」が使える
- 先頭にはカンパニー毎に設定された固定文字列(プレフィックス)が必ず追加される
- 本番用とテスト用を区別できるように、最後にdevまたはprodなどとサフィックスを追加する
RSIDはレポートスイート作成後は変更できないので、慎重に名付けましょう。「wwwexamplecomprod」などとドメインや本番/開発を区別する文字列をつなげるRSIDを見かけますが、目視で確認しにくく、開発や検証の際のミスにもつながるので、「www-example-com-prod」などとハイフン「-」を入れて区切ると良いでしょう。