Adobe Analyticsの訪問者のセグメント機能
ウェブサイトには様々な訪問者が訪れます。初めて訪問する方もいれば、何度も来てくれるリピーターもいます。特定の商品を探している人もいれば偶然来ただけ、という方もいます。
PCで見ている人もいればスマートフォンやタブレットで見ている人もいるかもしれません。また、当然ですがそれぞれの訪問者が求めていることも様々です。
自分たちのウェブサイトを、訪問者が求めているように最適化し、ファンになってもらえるような改善をしたいと思いませんか?
このような時、Adobe Analyticsのセグメンテーション機能は非常に便利です。
セグメンテーション機能は、訪問者を特定の条件で分類し、訪問者の行動パターンに準じた分析を提供することができる機能です。
新規とリピーター、性別、年代別、使用しているデバイス別、過去の行動パターン別、など様々なセグメンテーションが可能です。
このように訪問者を分類し、絞り込むことを「セグメント」といいます。
それぞれの訪問者が求めているものを知り、ウェブサイトを最適化し、訪問者の満足や喜びにつなげていきましょう。
Adobe Analyticsのセグメンテーション機能は大変充実していますが、基本をしっかりと理解すれば、応用できるようになります。
セグメントを構成する3つの要素
Adobe Analyticsのセグメントは「コンテナ」「条件」「比較演算子」の3つの要素で構成されます。
コンテナ
「コンテナ」は「条件に合致したデータを入れる箱」をイメージするとよいでしょう。条件に合った場合に、データが箱に収納されるイメージです。
Adobe Analyticsには「訪問者コンテナ」「訪問コンテナ」「ヒットコンテナ」の3種類のコンテナがあります。
訪問者コンテナ | ・・・ | 条件に合致した人(訪問者)がこのコンテナに含まれます。条件に合致した「人」のアクティビティが全てスコープとなるので、訪問者コンテナは一番範囲が広いコンテナになります。 |
訪問コンテナ | ・・・ | 条件に合致した訪問がこのコンテナに含まれます。訪問者コンテナと異なり、「人」の概念はなくなります。 |
ヒットコンテナ | ・・・ | 条件に合致した「ヒット」がこのコンテナに含まれます。「ヒット」とは「同じイメージリクエスト」のことですが「ページビュー」と捉えて問題ありません。一番詳細なセグメントが出来るコンテナです。 |
コンテナのスコープによって、対象となるデータは以下のように変わります。
例えば、セグメントの条件が「会員登録を完了した」で、かつそのセグメントのコンテナが「ヒット」の場合は、赤い枠の「完了登録完了」ページのみが対象となります。
コンテナが「訪問」の場合は、スコープが青枠まで広がり、「TOP」ページから「会員登録完了」ページまでの合計5ページが対象になります。
コンテナが「訪問者」の場合は、一番外側の枠、つまり期間内のAさんの行動全てが対象となります。
このセグメントを適用した状態でレポートに「ページビュー数」を追加すると、コンテナのスコープ設定によって以下のようにページビュー数が大きく変わります。
訪問者コンテナ | ・・・ | 7pv |
訪問コンテナ | ・・・ | 5pv |
ヒットコンテナ | ・・・ | 1pv |
分析したい要件によって選択するコンテナを選ぶ必要があります。
条件
コンテナには「条件」をセットする必要があります。 Adobe Analyticsで使用できる条件は「AND条件(および)」「OR条件(または)」「THEN条件(その後)」の3種類です。
「AND条件」や「OR条件」はよく使われるのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
AND条件
「AND条件」を設定すると、全ての条件を満たす場合にデータがフィルタリングされます。
例えば次のような条件があった場合、「ページA」「ページB」「ページC」全てのページを見た訪問が抽出されます。
コンテナ | ・・・ | 訪問コンテナ |
条件 | ・・・ | 「ページA」を見て、かつ「ページB」を見た、かつ「ページC」を見た |
OR条件
「OR条件」を設定すると、いずれかの条件を満たす場合にデータがフィルタリングされます。
例えば次のような条件があった場合、「ページA」「ページB」「ページC」のうち、いづれかのページを見た訪問が抽出されます。
コンテナ | ・・・ | 訪問コンテナ |
条件 | ・・・ | 「ページA」を見た、もしくは「ページB」を見た、もしくは「ページC」を見た |
THEN条件
「THEN条件」は画面上では「その後」と訳されています。「THEN条件」を使うと、連続した行動を条件として設定できます。
例えば以下のような条件設定ができます。この場合、条件を満たした訪問だけが抽出されます。
コンテナ | ・・・ | 訪問コンテナ |
条件 | ・・・ | 「ページA」を見て、その後「ページC」を見た |
図の場合、「ページA」を見た後に「ページC」を見ていれば条件に合致します。
THEN条件+After(後)
「THEN条件」には「After」オプションをセットすることもできます。例えば以下のような条件設定ができるようになります。
コンテナ | ・・・ | 訪問コンテナ |
条件 | ・・・ | 「ページA」を見て、その後2pvより後に「ページC」を見た |
この場合、「ページA」を見た後2pvより後に「ページC」を見ていれば条件に合致します。ポイントは「ページAを閲覧した後更にその後の2pvより後」です。
図で言うと、1ページ目で「ページA」を閲覧し、4ページ目以降に「ページC」を見ていると条件に合致します。
「After」はAdobe Analyticsでは「後」と訳されていますが「より後」のほうが解釈しやすいでしょう。
THEN条件+Within(以内)
「THEN条件」には「Within」オプションをセットすることもできます。例えば以下のような条件設定ができるようになります。
コンテナ | ・・・ | 訪問コンテナ |
条件 | ・・・ | 「ページA」を見て、その後3pv以内に「ページC」を見た |
この場合、「ページA」を見た後3pv以内に「ページC」を見ていれば条件に合致します。ポイントは「3pv以内」です。
図で言うと、1ページ目で「ページA」を閲覧し、その後の3ページ目以内に「ページC」を見ている必要があります。
THEN条件+After(後)+Within(以内)
「After」と「Within」を同時に使うことも可能です。この場合、「After」と「Within」は並列条件となります。
コンテナ | ・・・ | 訪問コンテナ |
条件 | ・・・ | 「ページA」を見て、その後1pv後、3pv以内に「ページC」を見た |
図の場合、1ページ目で「ページA」を閲覧し、更にその後1ページ遷移し、更にその後3ページ目以内に「ページC」を見ていれば条件に合致します。
「After」と「Within」はページビューだけではなく、期間にも使えます。