滞在時間を表す5種類の指標
「滞在時間」はWeb解析では一般的な用語で、ユーザがウェブサイトのページを開いていた時間のことを指します。
ページディメンションでレポートを作る際に使われることが多く、「滞在時間」が長いほどそのページのコンテンツに興味を持っていると考えられます。
ただし、「滞在時間」という日本語が示す挙動とは多少異なりますのでご注意ください。
滞在時間の計算方法
Adobe Analyticsでは「滞在時間」は「タイムスタンプ」の差分で算出されます。
「タイムスタンプ」とは自動的に記録される時刻のことで、ページの閲覧を開始したタイミングで記録されます。
例えば訪問者がページAを閲覧開始した場合、閲覧開始した時刻が記録されます。次にページBの閲覧を開始した際にBページの閲覧開始時刻が記録されます。
この、連続した2ページで記録された時刻の差分を「滞在時間」として算出します。
この例では、ページAやページBの滞在時間は以下のように計算されます。
「ページAの滞在時間」= ページBの(13:45)」-「ページAの(13:41)」= 4分
「ページBの滞在時間」= ページCの(13:51)」-「ページBの(13:45)」= 6分
では、「ページC」の滞在時間は何分になるでしょうか。ページAやページBの計算式にならうと以下の式で算出できます。
「ページCの滞在時間」= 離脱のタイムスタンプ - ページCのタイムスタンプ
しかし、「タイムスタンプ」はページが閲覧開始されたときに記録されるものなので、訪問者が離脱した場合の「タイムスタンプ」は記録されません。
この場合、Adobe Analyticsでは「ページCの滞在時間=0分」とみなします。
ページCで訪問者はすぐに「×」ボタンでページを閉じたかもしれませんし、コンテンツをじっくり読んでいたのかもしれません。
ページCを開いたまま席を外したかもしれませんし、PCを再起動していたのかもしれませんが、どのような状況であろうと、タイムスタンプがわからない場合は 滞在時間を特定することができません。
「滞在時間」は正確な時刻を示すものではないので、何かの判断をする際はこの点にご注意ください。
ただし、以下のようなケースの場合、最後のページの滞在時間は記録可能です。
- 最後に外部リンク(クリックすると外部サイトに遷移するリンク)をクリックして離脱した場合。離脱リンクはデフォルトで計測する仕様になっています。
- 「×」ボタンで閉じるアクションを何らかの形で計測していた場合
等、何らかの形で離脱時のタイムスタンプを記録すれば、最後のページであっても滞在時間を算出することができます。
滞在時間を表す指標
合計滞在時間(秒)
トラフィックディメンションの場合、「合計滞在時間」は各変数のタイムスタンプの差分を合算した時間になります。上の図だと10分(600秒)です。
ページでの平均滞在時間
トラフィックディメンションの場合、「ページでの平均滞在時間」は、合計滞在時間をページの遷移数で割った時間です。
ヘルプでは「シーケンスあたりの平均時間を表します」と表現されていますが、シーケンスは「遷移」と解釈するとよいでしょう。
サイトでの平均滞在時間
「サイトでの平均時間」は、特定のディメンション項目に対するヒットとヒットの間の経過時間です。
訪問別滞在時間(秒)
トラフィックディメンションの場合、「訪問別滞在時間」は、合計滞在時間を訪問回数で割った時間です。
この時、直帰した訪問は計算式に含まれません。
訪問者別滞在時間(秒)
トラフィックディメンションの場合、「訪問者別滞在時間」は、合計滞在時間を訪問者数で割った時間です。
この時、直帰した訪問は計算式に含まれません。