GAのセッションと微妙に異なるAAの訪問回数
訪問者がサイトの閲覧を開始してから閲覧を終えるまでの一連の行動が「訪問」です。Googleアナリティクスでは「セッション」と呼ばれますが、Adobe Analyticsでは、技術的な用語よりもビジネス視点の用語が好まれるため、「訪問」と呼ばれます。英語では「Visit」に相当します。
「訪問回数」は、訪問の回数を表す指標です。英語では「Visits」と複数形の名詞になります。
「訪問回数」の集計ロジック
1回の訪問で何ページを閲覧しても1訪問としてカウントされます。
Adobe Analyticsでは、ページ閲覧やリンク計測などのデータが30分以内に送信された場合に同じ訪問が継続しているとみなされ、 30分間を過ぎた次の閲覧やクリックは、新しい訪問としてカウントされます。
従って、次のようなアクションをしても、30分以内であれば新しい訪問は開始されません。
- タブを閉じた後にまたタブを開き、サイトに再度アクセス
- ブラウザを閉じてまた開く
- コンピュータを再起動し、30分以内にブラウザのタブが復活する
- 別のタブを開いて複数のページを同時に表示する
※訪問の有効期限については変更可能です。今回は30分と設定していると仮定して説明をしています。
訪問が終了する4つの条件
複数のタブで閲覧しても訪問回数や訪問者数は増えませんが、異なるブラウザを使うとそれぞれ増加します。
これは、異なるタブはブラウザが同じであれば同じ Cookie を参照しますが、ブラウザが異なるとCookieも異なるためです。
同じブラウザの場合、訪問が終了する条件は以下の4パターンあります。
パターン2〜4は、ボットのような不自然なアクセスと考えられます。放置するとデータの確定に時間がかかったり、データ処理やレポート生成にかかる時間が長くなるという不都合が生じるので、それを防ぐ仕組みとして実装されています。
パターン1 30 分間の無操作状態
ユーザーが何も操作をせず30分以上経過した際は自動的に訪問が終了します。
上の図の場合は途中でウェブサイトの閲覧をやめて、30分経過したので、訪問が終了しています。 ウェブサイトに戻った最初の閲覧によって新しい訪問が開始されるので、訪問回数は2回としてカウントされます。
上の図の場合は途中でブラウザのタブを閉じていますが、30分以内にまたサイトを表示させました。
訪問は継続しているので、訪問回数は1回となります。
ブラウザを閉じたり外部サイトを閲覧しても、30分以内にサイトに戻ってくれば継続された訪問として扱われます。
逆に、訪問者が 1 ページに 30分以上滞在した場合、この訪問は終了したものとして処理され、その後訪問者がクリックして次のページに移動した時に新しい訪問が開始されます。
パターン2 12時間の連続した操作
30分を超える無操作状態がなく、ユーザーが 12 時間連続でサイトを利用し続けた場合、訪問は強制的に終了され、新たな訪問が自動的に始まります。
パターン3 100 秒で 100 ヒット
訪問中に100秒以内に100件を超えるデータが記録された場合、訪問は強制的に終了され、新たな訪問が自動的に始まります。
パターン4 2500 ヒット
一回の訪問で2,500回のデータが送信された場合、訪問は強制的に終了され、2,501回目のデータ(ページ閲覧やリンククリック)から新たな訪問が自動的に始まります。
「訪問回数」のレポート表示方法
期間をまたぐ訪問のカウントのされ方
1回の訪問が日をまたいだ場合でも、訪問回数は増えませんが、レポート上で日別に分解した場合は両方の日に訪問回数がカウントされます。
例えば図の例では、21日の22:00から22日の01:00までウェブサイトにアクセスしています。
このデータをレポート上で日別で見ると、21日と22日に1回ずつ訪問回数がカウントされます。
時間別で見ても同様の結果となり、開始時刻と終了時刻、及びその間の時間(1時間単位)に訪問回数が1回ずつカウントされます。
例の場合は22時、23時、0時、1時に1訪問ずつカウントされます。
通算訪問回数
「訪問回数」と名前が似ていて紛らわしいのが「通算訪問回数」です。訪問者ごとに、通算で何回訪問したのかの連番が記録されるディメンションです。 同じ訪問者がサイトを訪問するたびに通算訪問回数は1ずつ増加します。
例
Aさんは
8/1に初めてサイトを訪れました。このとき、Aさんの通算訪問回数は「1」になります。
8/3にAさんが2回目の訪問をした場合、通算訪問回数は「2」になります。
8/7にAさんが3回目の訪問をした場合、通算訪問回数は「3」になります。
例えば「訪問すればするほど、訪問中に閲覧するページ数は増えるのか?コンバージョン率は高まるのか?」など、サイトの利用回数による行動や気持ちの変化を調査する際に便利です。